脱・子供っぽい！30代からのハイエンドなストリートウェア着こなし術

そのストリートコーデ、若作りだと思われていませんか？

「昔からストリートファッションが好きだけど、最近なんだか似合わない気がする…」
「若い子の真似みたいで、痛いと思われていないか不安…」
「でも、やっぱり好きなものはやめたくない！」

30代を迎え、そんな葛藤を抱えている方は少なくないのではないでしょうか。

その気持ち、痛いほどよく分かります。
かく言う私も、20代の頃はトレンド最前線のストリートウェアに身を包み、がむしゃらにファッションを楽しんでいました。
しかし30代になったある日、鏡に映る自分にふと違和感を覚えたのです。
「あれ、なんだか無理してる…？」

ご安心ください。
この記事は、そんな過渡期にいるあなたのためのものです。

こんにちは。
元大手セレクトショップのバイヤーで、現在はファッションブロガーとして活動しているRYOと申します。
10年間のアパレル経験で、何千人ものお客様のファッションの悩みと向き合ってきました。

この記事を最後まで読めば、あなたは「年齢」というフィルターを最高の武器に変え、若者には決して真似できない、品格と遊び心を両立させた「大人のためのハイエンドなストリートウェア着こなし術」を完全に理解することができます。

もう「若作り」なんて言わせない。
自信に満ち溢れた、新しい自分のスタイルを見つける旅に、一緒に出かけましょう。

参考: HBSのハイエンド・ストリートウェアブランドが話題！

なぜ今、30代にこそ「ハイエンドなストリートウェア」が必要なのか？

結論から言えば、30代からのストリートファッションは「何を選ぶか」で全てが決まるからです。
若い頃のように、ただ流行りのアイテムを着るだけでは、残念ながら「子供っぽい」という印象を拭えません。
では、なぜ「ハイエンド」、つまり上質なアイテムに投資する必要があるのでしょうか。
それには3つの明確な理由があります。

理由1：若者との明確な差別化

ファストファッションが全盛の今、安価なストリートウェアは街に溢れています。
しかし、そうしたアイテムとハイエンドなウェアを分ける決定的な差は「素材」と「仕立て」にあります。
例えば、同じスウェットでも、上質なものは生地の厚みや光沢感が全く違います。
フードは立体的に美しく立ち上がり、顔周りを上品に見せてくれるでしょう。

こうした質の高い服を身に纏うことで、言葉にしなくても伝わる「品格」が生まれ、内面から自信が湧き上がってくるのです。

理由2：”子供っぽさ”はディテールに表れる

考えてみてください。
ペラペラな生地にプリントされた、主張の激しい大きなグラフィック。
数回の洗濯でヨレてしまうTシャツの首元。

こうした細かい部分にこそ、”子供っぽさ”は宿ります。
30代が本当に投資すべきは、一目で分かるロゴではなく、服そのものが持つ「美しいシルエット」と「上質な素材感」なのです。
本当に良い服は、多くを語りません。
ただ、そこにあるだけで佇まいが美しいのです。

理由3：長く愛せる一着との出会い

トレンドを追い、ワンシーズンで着なくなる服を買い続ける消費のサイクルから、そろそろ卒業しませんか？

ハイエンドなストリートウェアは、決して安い買い物ではありません。
しかし、それは同時に、作り手の哲学やこだわりが詰まった「作品」でもあります。
吟味して手に入れた一着は、あなたに長く寄り添い、着るほどに体に馴染み、愛着が増していくはずです。
それは、自分だけのワードローブを丁寧に育てていくという、新しいファッションの楽しみ方との出会いでもあります。

【ブランド選び編】大人が選ぶべき、間違いない5つのブランド

私がバイヤー時代に数々のブランドを見てきた中で、特に30代の男性に自信を持っておすすめできる5つのブランドを厳選しました。
これらのブランドの本質を理解すれば、あなたのストリートスタイルは劇的に進化します。

1. Aimé Leon Dore (エメ レオン ドレ)

ニューヨーク・クイーンズ発のこのブランドは、まさに大人のストリートスタイルの筆頭格です。
洗練された都会的な雰囲気と、90年代のヒップホップやバスケットボールカルチャーが絶妙に融合しています。
どこか懐かしいのに、圧倒的にモダン。
そのバランス感覚は唯一無二で、LVMHが出資を決めたことからも、その注目度の高さがうかがえます。
上品な色使いと上質な素材感は、休日のスタイルを確実にクラスアップさせてくれるでしょう。

2. Supreme (シュプリーム)

「Supremeは若者のブランドでしょう？」と思うのは早計です。
確かに、ボックスロゴのアイテムはアイコン的ですが、大人が狙うべきはそこではありません。
大人が選ぶべきは、さりげないロゴのアイテムや、上質なアウター、そして他ブランドとの秀逸なコラボレーションアイテムです。
いつものコーディネートに1点だけ取り入れることで、程よい「ハズし」として機能し、一気にこなれた雰囲気を演出できます。
全身を固めるのではなく、あくまでスパイスとして使うのが正解です。

3. N.HOOLYWOOD (N.ハリウッド)

古着やミリタリーウェアに深い造詣を持つデザイナー、尾花大輔氏が手がける日本の実力派ブランドです。
ヴィンテージが持つ歴史や背景をリスペクトしつつ、現代的なシルエットに再構築する手腕は世界的に評価されています。
一見シンプルに見えて、カッティングやディテールにこだわりが詰まった服は、ストリートスタイルに「深み」と「説得力」を与えてくれます。
きれいめなアイテムも豊富なので、カジュアルとのバランスを取りやすいのも魅力です。

4. Maison Margiela (メゾン マルジェラ)

モードとストリートの垣根を軽やかに越えてきた、ラグジュアリーブランドの代表格です。
服の構造を一度解体し、再構築する「脱構築（デコンストラクティビズム）」という手法はあまりにも有名。
定番のスニーカー「レプリカ」や、アイコンの4本ステッチが入ったアイテムは、分かる人には分かる、知的な遊び心を表現できます。
少し背伸びしてでも手に入れる価値のある、一生モノのアイテムが見つかるはずです。

5. Acne Studios (アクネ ストゥディオズ)

スウェーデン・ストックホルム発のこのブランドは、ミニマルで洗練された北欧デザインが持ち味です。
特にデニムには定評があり、美しいシルエットは世界中にファンを抱えています。
全体的にクリーンでモダンな印象のアイテムが多く、ストリートスタイルに不可欠な「清潔感」を簡単にプラスすることができます。
絶妙なニュアンスカラーのアイテムも多く、色使いで周りと差をつけたい方にもおすすめです。

【アイテム別】即実践できる「脱・子供っぽい」着こなしの法則

ブランド選びの次は、具体的なアイテムの選び方と着こなし方です。
ほんの少し視点を変えるだけで、見違えるほど大人っぽく洗練されます。

フーディー＆スウェット：大人の選択基準は「フードの立ち」と「素材感」

大人がフーディーを選ぶ際に、最も重要視すべきポイント。
それは「フードが立体的に美しく立ち上がること」です。
肉厚でハリのある生地で作られたフードは、顔周りに立体感を生み、だらしない印象を与えません。
安価なものとの差が最も顕著に表れる部分であり、ここを妥協しないことが脱・子供っぽさへの近道です。

そして、合わせるボトムスはデニム一辺倒から卒業しましょう。
上品なスラックスやチノパンを選ぶことで、カジュアルなフーディーが一気にクラスアップし、洗練された大人のミックススタイルが完成します。

Tシャツ：「ロゴの大きさ」で品格が決まる

夏の主役であるTシャツも、選び方を間違えると一気に若作り感が強まります。
30代がまず卒業すべきは、胸元に大きく鎮座する「デカロゴ」プリントです。

選ぶべきは、以下の3択。

• ワンポイントの刺繍ロゴ
• さりげないデザインのテキストロゴ
• 究極は、上質な素材の「無地T」

特に、生地の光沢感や滑らかさにこだわった無地のTシャツをサラリと着こなせる男性は、本当におしゃれに見えます。
アクセサリーや時計が引き立ち、コーディネートの幅も格段に広がるはずです。

スニーカー：ハイテクよりも「クラシック＆上質レザー」

次から次へと発売されるコラボスニーカーや、派手なカラーリングのハイテクスニーカー。
もちろん魅力的ですが、大人の足元には、もう少し落ち着きと品格が欲しいところです。

そこでおすすめしたいのが、誰もが知る定番モデルの上質なレザーバージョンです。
例えば、オールホワイトの「ナイキ エアフォース1」や「アディダス スタンスミス」。
これらは、もはや革靴のような感覚で、どんなスタイルにもマッチする万能選手です。
コーディネート全体をカジュアルダウンさせるのではなく、むしろ引き締めてくれる。
そんなスニーカーこそ、大人が選ぶべき一足です。

キャップ：子供っぽくならない「色と素材」の選び方

キャップは便利なアイテムですが、一歩間違えると野球少年になりがちです。
大人が選ぶ際は、「色」と「素材」に細心の注意を払いましょう。

• 色：赤や青といった原色系は避け、ブラック、ネイビー、ベージュ、カーキなどのベーシックカラーを選ぶ。
• 素材：夏はリネン、秋冬はウールやコーデュロイなど、季節感のある素材を選ぶと、一気に上級者感がアップします。

これだけで、キャップが悪目立ちすることなく、コーディネートに自然に馴染みます。

【上級編】周りと差がつく、ハイエンドストリートを格上げする小物使い

洋服の基本を押さえたら、最後は小物でフィニッシュです。
細部へのこだわりこそが、全体のおしゃれ度を決定づけます。

アクセサリーは「シルバー」で統一感を

ごちゃごちゃと様々なブランドのアクセサリーをつけるよりも、まずは「色」を統一することを意識してみてください。
特におすすめなのが「シルバー」です。
知的でクールな印象を与えるシルバーアクセサリーは、ストリートスタイルとの相性も抜群。
大振りで主張の激しいものではなく、華奢でシンプルなデザインのものをいくつか重ね付けすると、非常に洗練された手元を演出できます。

時計は「一生モノ」を意識する

ストリートスタイルにあえて、クラシックで上質な腕時計を合わせる。
この「ギャップ」こそが、大人の余裕を感じさせます。
G-SHOCKのようなタフな時計も良いですが、30代になったら、将来的に「一生モノ」になりうるような、普遍的なデザインの時計を一つ持っておくと、あらゆるシーンであなたの格を上げてくれるはずです。

バッグは「レザー素材」で一気に大人顔

便利なナイロンのバックパックやサコッシュも良いですが、時にはバッグの素材を「レザー」に変えてみてください。
それだけで、コーディネート全体が驚くほど引き締まります。
上質なレザートートや、ミニマルなレザーショルダーバッグは、カジュアルな服装を品良く見せてくれる魔法のアイテムです。

まとめ：30代のストリートファッションは「自分らしさ」の表現

最後に、この記事の要点を振り返りましょう。

• 30代は「素材」と「シルエット」に投資する
• 若者との差別化には「きれいめ要素」のMIXが不可欠
• ロゴの大きさで品格が決まる
• 足元はクラシックなレザースニーカーで引き締める
• 小物は「色」を統一し、上質な素材を選ぶ

ストリートファッションは、決して若者だけのものではありません。
年齢を重ねたからこそ出せる深みや、経験に裏打ちされた説得力をスタイルに加えることができるのです。

最も大切なのは「品格」と「清潔感」。
この二つを常に意識していれば、あなたのスタイルが大きく道を踏み外すことはありません。

この記事を読んで、「これなら自分にもできるかも」と少しでも感じていただけたなら、まずはクローゼットの中を見直し、次に買うべき「未来の相棒」をじっくりと探してみてください。

ファッションは、人生を豊かにしてくれる最高の自己表現です。
これからも、年齢を言い訳にせず、自分らしいスタイルを思い切り楽しんでいきましょう。

最終更新日 2025年11月29日 by boplet